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J-PAL、東京でJICAと初のシンポジウムを共催

2018.06.22 - 広報ブログ

私たち、アブドゥル・ラティフ・ジャミールは社会貢献活動に積極的に取り組んでいます。その一環として2003年に、アブドゥル・ラティフ・ジャミール・貧困アクションラボ(J-PAL)がマサチューセッツ工科大学に設置されました。

J-PALは、一昨日、「子どもたちに『学び』をもたらす教育支援(エビデンスベースの施行と改善からスケールアップへ)」というシンポジウムを国際協力機構(JICA)と共催し、140名に及ぶ政府関係者、研究者やエコノミストの方が参加して下さいました。

発展途上国の子供たちは学校に通えるようになっても、言語や算数の習得が上手くいかず、なかなか浸透しないという現実があり、それを「学習の危機」と呼ぶそうです。

J-PALは、インパクト評価(ランダム化比較試験)によるエビデンス創出のための研究を実施しており、その研究に基づいた政策提言を行っています。シンポジウムでは、「学びの改善」にエビデンスを活用しているインド最大のNGO組織であるプラサム財団とのコラボレーションが紹介されました。

プラサム財団は、インドで「習熟度別のクラス編成(TaRL)」というプログラムを取り入れ、読み書き・算数を向上させています。5年生になっても、2年生の読み書き・計算すらできず、授業から取り残されてる子供たちが多くいることが分かりました。そこで、テストの結果をもとに、習熟度別のクラス編成をし、ラーニング・キャンプを行ったところ、プログラム開始前に59%の子どもが単語を読めない状態から、プログラム後には77%の子どもが文章を読めるようになったとのことです。シンポジウムでは、すらすら読むことができるようになった子どものビデオが流れ、プロジェクトの効果を感じることが出来ました。

JICAはプラサム財団とJ-PALのコラボレーション(実務と研究の融合)を高く評価して下さっています。現在、JICAは、ブルキナファソのみんなの学校で、住民と学校の共同による学校環境の改善に努め、インパクト評価(ランダム化比較試験)を活用し、就学率の向上に取り組んでいます。JICAはプラサム財団と連携し、読み書き・計算速習モデルを開発、J-PALの科学的アプローチによりその効果を測定・活用し、発展途上国における持続可能な教育の普及を目指しています。

エビデンスに基づく政策立案・戦略策定(EBPM)は、近年急速に活用が進み、日本でも注目が高まっているそうです。今回のシンポジウムは、EBPMを世界に広める大きな役割を果たしたJ-PALを日本に紹介したいとJICAが企画して下さいました。今後の活躍は、また機会があればご報告したいと思います。

プレスリリース(日本語)

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